第83章

大島莉理は箸を置き、紙ナプキンを一枚取って口元をそっと拭いた。すると隣にいた店長がやけに親切で、無料のドリンクと手作りの小さなケーキまでサービスしてくれる。

「えっ……そんな、申し訳ないです……」

卒業してから、ここへ来るのはずいぶん久しぶりだ。さすがにタダで受け取るのは気が引けて、莉理は遠慮がちに手を振った。

店長はにこにこと笑って言う。

「いいんだよ。前はいつも来てくれて、うちの商売を支えてくれたんだから。田中の常連さんみたいなもんだ。いつ来ても、ケーキも飲み物もサービスする。おかわりだって無料」

店長も他の客の対応があるらしく、それ以上は長話せずに厨房のほうへ戻っていった。

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